和の知識
8.茶 室
 

茶道は茶の湯を行う道場といった神聖な場所である。
現在では、和室の一部を茶室風に仕立てて使うこともあるが、茶室としての約束事を全て取り入れた
部屋は、薄暗く押し入れも無い部屋となり、そこで生活することは出来ない。
 

(1)構 成

 
 
@畳の名称
 

茶室の畳にはそれぞれ名称がある。

貴人畳・・・床の間の前が上座であり主客が座る畳

客 畳・・・その他の客が座る畳

点前畳・・・主が座り点前をする畳

炉 畳・・・炉が切ってある畳

踏込畳・・・出入口(腹(にじり)口・背口)に面した畳
 
 
A畳の敷き方
 

畳の章で、巴型に敷いた4.5畳の部屋は腹切の間であるので避けると述べたが、茶室は例外である。

床の間の前の1畳を床の間と平行に敷くことを原則とすると、自然に巴型になる。

6畳・8畳とするときでも、点前をする位置に畳の縁がこないようにする(8畳間の場合は、床刺しになる
ので10畳にするなどしてなるべく避ける)。
 

(2)床の間の飾り
 
 
@掛軸と花入れのバランス
 
掛軸と花を飾る時にも約束ごとがある。
●掛軸が細長い場合

床の間では書院側が上座となる。

花入れは掛軸の向かって右側(下座)3分
の1ほど脇に置く。

逆に置くと、書院から入った光で掛軸に花
の影を落としてしまうためである。
 
●掛軸が幅広で長さが短い場合

花入れは掛軸の真下に置く。
 
A釘
 

床の間に掛軸を掛けるためには、釘を打たなければならない。

どんな釘でもよいというものではなく、また、取り付ける場所も流派によって異なる。

壁の上塗りの前に取り付けておかなければならないので注意する。
 
 
●中釘

 一般的な床の間用の釘
 
●無双釘

 カギの部分が動かせるようになっていて、
 掛軸を掛けないときは、壁の中に仕舞え
 る様になっている釘。
 
●花釘

 花を生けた竹の花入れをつるす為に使
 用する釘。
 荷重がかかっても折れないように頑丈な
 造りになっている。
 
B竹の花入れの種類
 
●筒舟
●丸太舟
●釣舟
●一重切
●鮟鱇
●置筒
●鶯切