和の知識
6.長 押
 

長押は、柱と柱を横につなぐための構造材であ
った。

貫を通して柱を固めるようになると、徐々に飾り
として扱われるようになってきた。
 
 

(1)使われ方の変化

 
 

平安時代には、長押の上部の隙間に屏風押さ
えを差込み、屏風が倒れるのを防いだ。

当時の屏風は、ジグザグにして置く物ではなく、
一直線にして使用するものだったため、屏風押
さえが必要だった。

また、武士が護身用の槍を隠していた事もあっ
たという。

徳川幕府においては、1699年に「禄高が1000
石以上の旗本の住居にのみ、長押の使用を認
める」ということを決め、身分の低い者の家には
付けてはならないとしていた。

その影響があり、封建制度から開放された明治
大正以後には、長押のある住居に住んでいると
身分が高かったとみられたため、誰もが長押を
付けはじめたのである。

夏の虫除けであった蚊帳も、この長押に吊り具を
掛け吊った。
 
  

現在では、長押を付けない住居が多いが、空間を引き締め、部屋に調和をもたせるためにも付けた
方が良い。
 
 
  

(2)幅の基準

 
  

長押の幅は、どのようでも良いと、いうものでもない。

通常、柱の幅を1とすると長押の幅は0.8のする。

これは長押の下に鴨居があり、上部に欄間があれば欄間用の敷居が付くので、柱よりも長押の部分
が太く見えるのを防ぎ、安定感を良くするためである。
 
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