和の知識
4.障 子
 

(1)機 能

 

障子は多くの機能を兼ね備えている建具である。障子の機能は、次のようなものである。
 
 
・視線を遮る ・明かりを採る
・風を防ぐ ・湿気を透過させる
・暖をとる
 障子を通して採り入れられた光は、まぶしさを和
 らげ、部屋の中に必要以上の影を作らず、拡散
 されているため、目にも負担がかからない。
 

(2)棧の比率
 
 

もともと障子の棧の1つ1つの縦横の比率は、1:√2である。これはちょうどB判の紙の比率と同じで、半
分に折っても次の長方形は1:√2になる。

最近になって、黄金率の障子も作られている。これは縦横が1:1:618の比率になっているもので、煙草の箱やはがき・名刺などが黄金率である。

見た目の安定感が良いと言われる。
 
 

(3)種 類
 
 

障子の種類は、棧の組み方やガラス・板と組み合わせたものなど、いくつかの種類がある。
 
 
荒組障子 横繁障子 縦繁障子
棧の組み方の荒いもの 横棧を多くしたもの 縦棧を多くしたもの
 
腰板障子 雪見障子 猫間障子
高さ35cmぐらいの板張りの腰のつ
いたもの
腰板上部に障子幅のガラスを半
分ほどはめたもの
障子の一部を左右または上下に
開閉できるようにしたもの
 
※腰板のついてないものを「水腰」という。
※猫間障子の「猫間」は「寝間」がなまったもの。就寝中の換気のために工夫されたと言われる。また、
  猫の出入りのために配慮したとも言われている。
 

(4)障子の表
 
 

日本では、棧の組子が見える側が室内側を向き、これを表側とする。中国では、その逆で組子を屋外に向け、これを表側としている。
 
 

(5)棧の材料
 
 

棧の材料の大半は、杉材である。枠材の室内側に柾目を出し、小口側に板目が来るようにするのが、一般的である。
 
 

(6)横棧の間隔

 
  

障子紙はロール状になっていて、そのロールの長辺の長さは27.3cmである。
障子の横棧の間隔もこの長さを基準にしてある。
したがって、横繁棧障子も必ず27.3cmごとに棧がある。
 
 

現在は、紙のサイズも多様で、必ずしも上記の間隔に棧が組まれているわけではなくなってきた。
また、紙を使用せずにプラスチックを使って障子の雰囲気を出そうという動きも出てきている。
欧米では、洋室にインテリアとして障子を用いたりしている。
 
  「土地情報」コーナーは、ミサワホーム株式会社が提供しています。
ニフティ株式会社はこのコーナーの内容に関して一切の責任を負いません。
このコーナーに関する質問はこちらまでお願いいたします。